今回は、ファッションについて興味を持ち始めインターネットだけではなく、書籍を通してファッションの歴史や理論を体系的に学んでみたいと思っている方におすすめの本を3つ選びました。
どのような考えの元にこれらの本を選んだか、ファッションに関する勉強とはどういうことなのかということをはじめに書いています。
本の詳細について知りたい方は目次からスキップして各書籍の詳細をご覧ください。
はじめに
インターネットが発達し、世の中のあらゆる情報が広く行き渡り誰でも入手可能になった時代にわざわざ書籍で学ぶ意味とは何でしょうか?
私が思う、書籍でファッションを学ぶ意味とは
インターネットで学ぶより、自分ごとに感じることができる
確実に信頼を置くことができる
ということにあると考えています。
もちろん有名なメディアサイトにはファッションの歴史について書かれたページもあります。
しかし、書籍という媒体を通すことでより自分ごと(より勉強・研究という側面が強いという意味)に感じられるのではないかと思います。
Webサイトを眺めていても情報が流れていくような感じがしてしまいます。
また、今回紹介する本はどれも有名でその本自体もあらゆるものを参考に書かれているため確実に信頼を置くことができ、インターネットより厚みを感じることができると思います。
また、ファッションに関する勉強とは何なのでしょうか?
これに関しては、私も確実な答えをもっていません。
今現在、私自身もファッションに関する勉強をしている途中にあります。
ただ、一つ言えることとしては、ファッションには様々な文脈(芸術・経済・政治・音楽・映画 etc…)が存在します。
それらのあらゆる文脈の中で生かせる知識や自分の見解を持つことでよりファッションを楽しむことができると思います。
少なくとも私は、そのような目的のもとにファッションの勉強をしています。
そもそも人間が服を纏う意味について書かれた概念的な話
こちらの本は、かの有名な倫理学者である鷲田清一さんによって書かれた本です。
そもそも、ファッションとは何か。
こちらの書籍は、衣服と身体の関係について書かれた本であり、なぜ我々は衣服を着飾るのかということについて迫った本です。
こちらの本はファッションに関する本の中でも、とても有名な一冊です。
ただ、名著であり読み応えもあったため改めてご紹介させていただきました。
普段の生活では気にさえもしないことが書かれているため、多くの発見があるとともにファッションを深く理解するための一助になった本でもあります。
私はこの本から派生してポートフォリオのための作品も作りました。それだけ私にとっては影響を与えてくれた本です。
はじめは、概念的な話で難しくて読むのに苦労するだろうなと思いながら手に取りましたが、中ではCOMME des GARÇONSやYohji Yamamotoなど有名なブランドの具体例をとって書かれている箇所もあるため読みやすい印象でした。
ファッション文化史を語る上で欠かせないデザイナーに迫った本
こちらの本は、ファッションを通して社会学を研究する学者である成実弘至さんによって書かれた本です。
成実さんは京都造形芸術大学で准教授を務めた後、現在は京都女子大学家政学部生活造形学科教授を務める有名な方です。
こちらの本はタイトル通り20世紀のファッションにおいて時代を作り上げた10人のデザイナーに焦点を当て、その時代の変遷とともにデザイナーが何を成し遂げたのかということについて書かれた本です。
中では、チャールズ・ワース、ポール・ポワレ、ガブリエル・シャネル、エルザ・スキャパレッリ、クレア・マッカーデル、クリスチャン・ディオール、マリー・クアント、ヴィヴィアン・ウエストウッド、コム・デ・ギャルソン、マルタン・マルジェラについて書かれています。
20世紀という時代観とデザイナー一人一人の背景を照らし合わせながら書かれているため、一つ一つの事象について深く知ることができる本です。
もちろん、ここに載っているデザイナー以外にもこの時代を築き上げてきたデザイナーは多くいるためこの本だけでは網羅することはできません。
ただ、各デザイナーについて深く書かれているため、手始めに勉強するのには向いていると思います。
私は、特にヴィヴィアン・ウエストウッドに多大な影響を受け、自分のファッション観にも影響を与えてくれました。
ファッションデザイナー図鑑
こちらの本は、世界的に有名でファッション史においては欠かすことのできないファッションデザイナー50人に焦点を当て、デザイナー自体を深掘りした本です。
上で紹介した「20世紀ファッションの文化史」では時代観と照らし合わせながらデザイナーと当時の社会情勢について深掘りしていましたが、こちらの本はデザイナーとその服に焦点を当てた本です。
デザイナーを6つのカテゴリー(セレブリティとしてのデザイナー、新世代の女性の創造、アルティザン、フューチャリスト、モダニストとポストモダニスト、コンセプチュアリスト)に分類し、各デザイナーのクリエーションの特徴や影響を受けたデザイナー・影響を与えたデザイナーなどについても書かれているため図鑑のような本です。
これまでの書籍とは異なり、ビジュアルも多く使われているためイメージも掴みやすく気になった時に気になったデザイナーについて知ることができるため良書だと感じました。
まとめ
今回は、ファッションの歴史に絞っておすすめの書籍をご紹介しました。
もちろんこれ以外にもたくさんのおすすめしたい本があります。
それらについてはいつかの機会に記事にしたいと思います。
ここでご紹介した本はどれも名著です。
ファッションに少しでも興味があって、より詳しく突き詰めていきたいと思った方にはとてもおすすめです。
この本だけを読めばファッションについて完全に網羅できるということはありません。
しかし、確実にファッションに対しての見識を深めることができますし、何かしらの影響を与えてくれる本だと思います。
雑誌やYouTubeとは違い、気軽に読んだり見ることはできないかもしれません。でも、だからこそ何か得ようという考えが働き、そこから深い洞察が得られるのではないでしょうか?
そいう言った意味で、書籍でファッションを学ぶことに意義を感じています。